2月が近づくと、スーパーやコンビニに節分の豆や恵方巻が並び始めます。
「鬼は外、福は内」と豆をまくのは知っていても、
「そもそも節分って何の日?」
「なぜ鬼に豆を投げるの?」
「節分は毎年2月3日じゃないの?」
と聞かれると、意外と知らないこともあります。
節分は単なる「豆まきの日」ではありません。
本来は季節の変わり目を表す日で、昔から災いや病を遠ざけ、新しい季節を無事に迎えたいという願いと結びついてきました。農林水産省によると、本来の節分は立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日を指しますが、現在では主に立春の前日の節分を意味するようになっています。農林水産省
この記事では、節分の意味や由来、豆まき、恵方巻、柊鰯などの風習、さらに2027年の節分の日付まで分かりやすく紹介します。
節分とは「季節を分ける日」
「節分」という言葉には、文字どおり季節を分けるという意味があります。
昔の暦では、
立春の前日。
立夏の前日。
立秋の前日。
立冬の前日。
はいずれも節分でした。
つまり、本来なら節分は年に4回あります。
ただ、立春は古くから一年の節目として特に重視されてきたため、現在では「節分」といえば立春の前日を指すのが一般的になりました。農林水産省
今でいう「大みそかとお正月」のように、季節が切り替わる前に災いを払い、新しい時期を迎えるという意味合いが強かったと考えると分かりやすいでしょう。
2027年の節分は2月3日
節分といえば「2月3日」と覚えている人も多いと思います。
しかし、節分は毎年必ず2月3日になるわけではありません。
節分は立春の前日なので、立春の日付が変われば節分も変わります。
国立天文台が発表している2027年の暦要項では、
| 項目 | 2027年 |
|---|---|
| 節分 | 2月3日(水) |
| 立春 | 2月4日(木) |
となっています。国立天文台
「節分=2月3日」ではなく、「立春の前日=節分」と覚えておくほうが正確です。
節分の豆まきはなぜ始まった?
節分といえば、やはり豆まきです。
「鬼は外!福は内!」
と言いながら炒った大豆をまくのは、災いや病気などを鬼に見立てて追い払う意味があります。
節分の鬼払いのルーツをたどると、中国から伝わった追儺(ついな)という行事があります。
国立国会図書館によると、日本では706年には追儺が行われていた記録があります。ただし、追儺と節分は最初から同じ行事だったわけではありません。節分の行事へ鬼払いの要素が入り込み、南北朝時代には「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまく記録が残っています。その後、江戸時代には両者が強く結びついていきました。国立国会図書館
現在では、難しい歴史を意識するというより、
悪いものを外へ出して、福を家へ迎える
という家族行事として親しまれています。
なぜ「豆」をまくの?
農林水産省では、大豆は昔から米と同じように大切な食べ物で、霊力を持つものと考えられていたこと、そこへ中国由来の鬼払いの行事が結びついて豆まきが広まったと説明しています。農林水産省
現在の豆まきでは、炒った大豆を使うのが一般的です。
豆をまいたあとに、
「年齢と同じ数」
あるいは、
「年齢より1粒多く」
食べるという風習もあります。地域や家庭によって方法は異なるので、絶対にこの数でなければいけないというものではありません。農林水産省でも、年齢の数または年齢プラス1粒を食べる風習を紹介しています。農林水産省
「鬼は外、福は内」は全国共通ではない
節分では、
「鬼は外、福は内」
が定番ですが、全国どこでも同じとは限りません。
地域や寺社、家の伝承によっては、掛け声や豆まきの方法が異なる場合があります。
節分は長い歴史の中で各地へ広まった年中行事なので、「これが全国共通の唯一の正しい方法」と考えるより、地域ごとの違いも含めて楽しむのがおもしろいところです。
恵方巻とは?
近年、豆まきと並んで節分の定番になったのが恵方巻です。
その年の縁起のよい方向「恵方」を向き、太巻きを食べる風習として知られています。
農林水産省によると、恵方巻の起源には複数の説があり、はっきりとは分かっていません。大阪で始まったともいわれ、1970年代ごろから海苔業界などの販売促進で再び注目され、1990年代にコンビニやスーパーで販売されるようになったことで全国に広がったとされています。農林水産省
つまり、
「昔から全国どこでも恵方巻を食べていた」
わけではありません。
比較的新しく全国へ定着した節分文化という点も、知っておくと面白いですね。
2027年の恵方は「北北西」
恵方は、その年の福徳をつかさどるとされる歳徳神のいる方角です。
毎年変わりますが、実際には決まった4方向のいずれかになります。
2027年の恵方は「北北西」です。より細かく表す場合は北北西やや北、方位角では約345度とされます。東京ガス ウチコト
スマートフォンのコンパス機能を使えば、家の中でも方角を確認できます。
ただし、恵方巻の食べ方には地域や家庭による違いがあります。
「一本丸ごと食べないといけない」
「途中で話したら福が逃げる」
などを厳しいルールのように考えなくても構いません。
家族で安全に楽しく食べることを優先したいところです。
恵方巻の具は7種類でないとダメ?
七福神にあやかって7種類の具材を入れる恵方巻も多くあります。
ただし、農林水産省によると、もともとの巻き寿司に具材の数について明確な決まりはなかったとされています。近年になって7種類を使った太巻きがよく見られるようになりました。農林水産省
ですから、
海鮮巻き。
サラダ巻き。
細巻き。
自宅で作った小さめの巻き寿司。
でも、家庭で節分を楽しむなら問題ありません。
小さな子どもや高齢者がいる家庭では、無理に太い巻き寿司を丸かじりせず、食べやすい大きさに切るほうが安全です。
柊鰯とは?
地域によっては節分に、柊(ひいらぎ)の枝へ焼いた鰯の頭を付けて玄関などへ飾る風習があります。
一般に「柊鰯(ひいらぎいわし)」と呼ばれます。
トゲのある柊と、においの強い鰯を使って鬼や災いを遠ざけるという民間信仰に結びついた風習です。
ただし、全国すべての家庭で行われるものではありません。
文化庁の資料でも、節分に鰯の頭を柊などへ刺して門先に立てる風習が地域の年中行事として記録されています。文化庁
豆まきや恵方巻だけでなく、こうした地域の節分文化を調べてみるのも面白いでしょう。
小さな子どもとの豆まきは特に注意
現在の節分記事でぜひ入れておきたいのが、豆による窒息・誤嚥事故への注意です。
消費者庁は2026年1月にも、節分の炒り豆など硬い豆について、5歳以下の子どもには食べさせないよう注意喚起しています。
小さな豆は、かみ砕いた場合でも気管へ入り込むことがあります。豆まきをしたあとに床へ残った豆を小さな子どもが拾って口に入れる危険もあります。内閣府
小さな子どもがいる家庭では、実際の豆を大量に床へまくのではなく、個包装された豆を使うなどの工夫もあります。
節分は家族で楽しむ行事だからこそ、安全面は昔以上に意識したいところです。
節分は「鬼を追い払う日」だけではない
節分を簡単に説明すると、
「鬼に豆を投げる日」
になりがちです。
でも歴史を見ていくと、
季節の変わり目を迎える。
病気や災いを遠ざける。
一年を無事に過ごせるよう願う。
新しい季節へ気持ちを切り替える。
という意味が重なってきた行事だと分かります。
昔と現在では過ごし方も変わっています。
家で豆をまく家庭もあれば、恵方巻だけ食べる家庭もあります。
地域の寺社の節分会へ参加する人もいます。
すべての風習を行う必要はありません。
節分の意味を知ったうえで、自分たちなりの方法で楽しめばよいでしょう。
節分についてよくある質問
節分は毎年2月3日ですか?
毎年固定ではありません。
節分は立春の前日なので、立春の日付によって変わります。2027年は立春が2月4日のため、節分は2月3日です。エコ
2027年の恵方はどこ?
北北西です。東京ガス ウチコト
節分は年に1回だけ?
本来は立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日が節分なので、年4回あります。現在一般的に「節分」と呼ばれているのは立春の前日です。農林水産省
豆は何個食べる?
年齢と同じ数、または1粒多く食べるという風習があります。ただし地域差があります。農林水産省
恵方巻は昔から全国的な風習?
現在のように全国で広く知られるようになったのは比較的新しく、農林水産省では1970年代以降の販売促進、さらに1990年代のコンビニやスーパーでの販売が全国普及につながったと説明しています。農林水産省
まとめ|節分は新しい季節を迎えるための行事
節分は、単に豆をまいたり恵方巻を食べたりする日ではありません。
本来は季節の変わり目を表す日で、現在は主に立春の前日を指します。
豆まきには災いや病を遠ざけて福を招く願いが込められ、恵方巻は大阪などで行われていた風習が後に全国へ広がったものです。節分と鬼払いの歴史をさかのぼると、中国由来の追儺と日本の節分行事が長い時間をかけて結びついてきたことも分かります。国立国会図書館
そして2027年の節分は2月3日、恵方は北北西です。国立天文台
豆をまく。
恵方巻を食べる。
柊鰯を飾る。
地域の行事へ参加する。
過ごし方はいろいろあります。
今年の節分は「なぜこの風習があるんだろう?」と少し由来を知ってから楽しんでみると、いつもの豆まきや恵方巻も違って見えてくるかもしれません。


