年齢を重ねてくると、
「以前より脚が疲れやすい」
「階段を上ると息が切れる」
「運動したいけれど、ジムへ通うほどではない」
と感じることがあります。
そんなとき、自宅で始めやすい筋力トレーニングのひとつがスクワットです。
スクワットは、自分の体重を負荷として使いながら、太ももやお尻を中心に下半身を鍛えられる運動です。特別な器具がなくても始められます。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人・高齢者ともに筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。スクワットのような自重トレーニングも筋トレに含まれます。
ただし、回数を増やせば増やすほどよいわけではありません。
フォームが崩れた状態で無理をすると、膝や腰へ負担がかかることもあります。
この記事では、スクワットで鍛えられる筋肉、期待できること、初心者向けのやり方、回数の目安、膝や腰を痛めないための注意点まで分かりやすくまとめます。
- スクワットはどこの筋肉を鍛えられる?
- スクワットで期待できる効果① 下半身の筋力維持・向上
- スクワットで期待できる効果② 日常動作を楽にする土台になる
- スクワットで期待できる効果③ 運動不足対策になる
- スクワットをすれば痩せる?
- 初心者向け|基本のスクワットのやり方
- 膝を痛めにくくするポイント
- しゃがむ深さはどこまで?
- 初心者には「椅子スクワット」がおすすめ
- スクワットは何回やればいい?
- スクワットは毎日やったほうがいい?
- 回数より「少しずつ負荷を上げる」
- スクワットでよくある間違い
- 膝や腰に痛みがある人は無理をしない
- スクワットだけでなく歩く習慣も大切
- 続けるコツは「少なすぎるくらい」から始めること
- スクワットについてよくある質問
- まとめ|スクワットは少ない回数から長く続ける
スクワットはどこの筋肉を鍛えられる?
スクワットでは主に、
大腿四頭筋
太ももの前側。
ハムストリングス
太ももの裏側。
大殿筋
お尻の大きな筋肉。
などを使います。
姿勢を安定させながら動くため、腹部や背中など体幹部の筋肉も働きます。
厚生労働省の健康情報でも、スクワットは「足腰」を鍛える代表的な運動として紹介され、太ももやお尻だけでなく、姿勢を支える腹筋群・背筋群も使うと説明されています。
下半身には日常生活で重要な筋肉が集まっています。
立つ。
座る。
歩く。
階段を上る。
物を持ち上げる。
こうした動作を続けていくためにも、脚の筋力を維持することは大切です。

スクワットで期待できる効果① 下半身の筋力維持・向上
スクワットの一番分かりやすいメリットは、下半身へ負荷をかけられることです。
筋力は何もしなければ年齢とともに低下しやすいため、普段から筋肉へ適度な刺激を入れておくことが重要です。
厚生労働省は、筋力トレーニングによって筋力や身体機能、骨密度の改善が期待できるとしています。
「若いころのように重いバーベルを持つ」
必要はありません。
運動習慣がない人なら、まずは自分の体重だけでも十分なスタートになります。
スクワットで期待できる効果② 日常動作を楽にする土台になる
スクワットの動作は、
椅子から立つ・座る
という日常動作とよく似ています。
そのため、スクワットで使う下半身の筋肉は、
立ち上がる。
しゃがむ。
階段を使う。
歩く。
といった動作にも関係します。
日本整形外科学会も、運動機能を維持する「ロコトレ」のひとつとしてスクワットを紹介しています。
「筋肉を大きくしたい人だけの運動」ではなく、これからも自分の脚で動き続けるための筋トレと考えると取り入れやすいと思います。
スクワットで期待できる効果③ 運動不足対策になる
デスクワーク中心だと、1日のほとんどを座って過ごしてしまうことがあります。
厚生労働省は、成人に対して、
今より少しでも多く身体を動かすこと
に加えて、
座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにすること
を勧めています。
スクワットだけですべての運動不足を解消できるわけではありません。
それでも、
「朝に5回」
「仕事の休憩中に5回」
「夜に10回」
というように、身体を動かすきっかけにはなります。
ウォーキングなどの有酸素運動と筋トレを組み合わせる方法もおすすめです。厚生労働省も、筋トレと有酸素性身体活動を組み合わせることを勧めています。
スクワットをすれば痩せる?
「スクワットをすれば痩せる?」
と気になる人も多いと思います。
スクワットも身体活動なのでエネルギーを消費しますし、筋力トレーニングを運動習慣へ取り入れる意味はあります。
ただし、
スクワットだけで大幅に体重が落ちる
とは考えないほうがいいでしょう。
体重管理には、
食事。
普段の活動量。
睡眠。
有酸素運動。
筋トレ。
など複数の要素が関係します。
「毎日スクワット100回やれば何を食べても大丈夫」というわけではありません。
私なら、
食べ過ぎを見直す+歩く+週2〜3日の筋トレ
という組み合わせで考えます。
初心者向け|基本のスクワットのやり方
基本的な方法はシンプルです。
- 足を肩幅〜肩幅より少し広めに開く
- つま先と膝をほぼ同じ方向へ向ける
- 胸を軽く張り、背中を丸めすぎない
- お尻を後ろへ引くようにゆっくり下げる
- 無理のないところまで下げたら、ゆっくり立つ
厚生労働省関連資料でも、スクワットでは足を肩幅より少し広めにして、お尻を後ろへ引くように身体を沈め、つま先と膝の向きをそろえる方法が紹介されています。
重要なのは、
深くしゃがむことより、無理なく安定したフォームで行うこと
です。

膝を痛めにくくするポイント
スクワットでは、膝の位置だけを気にしていると姿勢全体が崩れることがあります。
意識したいのは、
お尻を後ろへ引く
ことです。
厚生労働省の健康情報では、上体を少し前傾させながらお尻を後ろへ引くフォームが、膝への負担を抑える方法として紹介されています。椅子から立ったり座ったりする椅子スクワットも自然に同じ動作になりやすい方法です。
また、
膝だけ内側へ入る。
勢いをつけて上下する。
無理に深くしゃがむ。
疲れているのに続ける。
といった動作は避けます。
「何回できたか」より、1回ずつ丁寧に行うほうが大切です。
しゃがむ深さはどこまで?
スクワットというと、
「太ももが床と平行になるまで下げないと意味がない」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、初心者や運動に慣れていない人が無理に深くしゃがむ必要はありません。
膝や股関節、足首の柔軟性には個人差があります。
まずは浅めから始めて、
痛くない。
ふらつかない。
フォームを保てる。
範囲で行います。
膝や腰に不安がある場合は、椅子を使う方法から始めると安心です。
初心者には「椅子スクワット」がおすすめ
運動不足で、
「普通のスクワットは少し怖い」
という人なら、椅子スクワットから始める方法があります。
やり方は、
- 椅子の前に立つ
- 足を肩幅程度に開く
- お尻を後ろへ引く
- 椅子へ座るようにゆっくり腰を下げる
- 椅子へ軽く触れる、または座る
- ゆっくり立ち上がる
という流れです。
厚生労働省の健康情報でも、椅子から立ち上がって座る動作を繰り返す「椅子スクワット」が紹介されています。
椅子があることで、
「後ろへ倒れそう」
という不安も減らせます。

スクワットは何回やればいい?
スクワットに、
「全員が毎日○回やれば正解」
という回数はありません。
体力や運動経験によって適切な回数は変わります。
日本整形外科学会が紹介しているロコトレでは、スクワットを1セット5回、1日3セットという例が示されています。
一方、別の厚生労働省関連資料では、10〜15回のスクワットが運動例として紹介されています。
ですから初心者なら、
まず5〜10回程度
から始めて構いません。
余裕が出てきたら、
10回×2セット。
10回×3セット。
などへ増やしていきます。
大切なのは、最後までフォームを保てる回数にすることです。
スクワットは毎日やったほうがいい?
健康づくりとして筋トレを行う場合、厚生労働省は週2〜3日を推奨しています。
毎日限界までスクワットする必要はありません。
筋肉には休息も必要です。
特に始めたばかりなら、
月曜日。
水曜日。
土曜日。
というように間隔を空けても構いません。
「毎日やらなければ効果がない」
と考えて3日でやめてしまうより、無理なく継続できるペースのほうが現実的です。
回数より「少しずつ負荷を上げる」
同じスクワットを長く続けると、身体が慣れてきます。
楽に20回、30回できるようになったら、
回数だけを100回まで増やす必要はありません。
例えば、
ゆっくり動く。
セット数を少し増やす。
しゃがむ深さを無理のない範囲で調整する。
慣れてきたら専門家へ相談して負荷を加える。
という方法があります。
厚生労働省も、筋力トレーニングは日常生活以上の負荷をかけながら少しずつ負荷を高めていくことをポイントとして挙げています。
スクワットでよくある間違い
スクワットでありがちなのが、
「数をこなすこと」
が目的になってしまうことです。
特に注意したいのは、
背中が大きく丸まる
膝が内側へ入る
勢いでしゃがむ
かかとが大きく浮く
痛いのに続ける
といった状態です。
痛みが出たら、
「筋肉に効いている証拠」
とは考えず、中止してください。
フォームに自信がなければ、横からスマホで撮影して確認する方法もあります。
膝や腰に痛みがある人は無理をしない
スクワットは多くの人ができる自重運動ですが、誰にでも同じ方法が適しているわけではありません。
膝や腰などに持病や痛みがある場合。
最近手術を受けた場合。
運動すると症状が悪化する場合。
医師から運動制限を受けている場合。
こうしたケースでは、自己判断で負荷を増やさないほうが安心です。
厚生労働省も、慢性疾患や運動器の痛みがある場合は、必要に応じて医師など専門家へ相談し、個人の状態に合わせて無理のない強度から始めるよう案内しています。
NHSも、運動中に痛みや体調不良が出た場合は中止するよう案内しています。

スクワットだけでなく歩く習慣も大切
スクワットは便利な筋トレですが、
スクワットだけしていれば健康になる
わけではありません。
厚生労働省は成人に対し、筋トレ週2〜3日に加え、歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上(約8,000歩以上に相当)行うことを一つの目安として示しています。ただし、これは全員に一律に義務づける数字ではなく、個人差を踏まえて今より少しでも多く身体を動かすことが基本です。
私なら、
スクワット+ウォーキング
くらいから始めます。
自宅で筋肉へ刺激を入れつつ、普段は歩く。
この組み合わせなら特別な器具も必要ありません。
続けるコツは「少なすぎるくらい」から始めること
筋トレは、
「今日から毎日100回!」
と決めると、最初の数日は頑張れても続かなくなることがあります。
最初は、
歯磨き前に5回。
お風呂前に5回。
テレビを見ながら5回。
くらいでも構いません。
身体が慣れてから増やします。
週に2〜3回でも、
「やらない週」
を減らしていくほうが長期的には続きやすいと思います。
運動は数週間で終わるイベントではなく、これから先も続ける生活習慣です。
スクワットについてよくある質問
スクワットは何回から始めればいい?
運動習慣がなければ5〜10回程度からでも構いません。
フォームが崩れない範囲で始めて、慣れてきたら回数やセット数を少しずつ増やします。
毎日やらないと意味がない?
毎日行う必要はありません。
厚生労働省の健康づくりの目安では、筋力トレーニングは週2〜3日が推奨されています。
スクワットでお腹も鍛えられる?
動作中に姿勢を支えるため、腹筋や背筋などの体幹部も使います。ただし、スクワットだけで腹筋すべてを十分に鍛えられるという意味ではありません。
膝が痛い場合も続けていい?
痛みを我慢して続けないでください。
フォームを見直しても痛みが続く場合や、もともと膝の病気がある場合は、医師や理学療法士などへ相談するほうが安心です。
スクワットだけで痩せる?
スクワットは運動の一つですが、体重管理は食事や日常の活動量などにも左右されます。
「スクワットさえすれば痩せる」と考えず、生活全体で考えるのがおすすめです。
まとめ|スクワットは少ない回数から長く続ける
スクワットは、
太ももやお尻などの下半身を鍛えられる
自宅で器具なしでも始められる
立つ・座るなど日常動作に近い
というメリットがある筋力トレーニングです。
厚生労働省では、成人・高齢者に筋トレを週2〜3日行うことを推奨しています。
最初から難しく考える必要はありません。
5〜10回
↓
フォームに慣れる
↓
少しずつ回数・セット数を増やす
くらいで十分です。
そして、
お尻を後ろへ引く。
膝とつま先の向きをそろえる。
勢いをつけない。
痛みを我慢しない。
この4点を意識します。
筋トレだけでなく、普段の歩行や座りっぱなし対策も組み合わせながら、無理なく続けられる運動習慣にしていきたいところです。


