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ふくらはぎは「第二の心臓」?役割と鍛え方|座りっぱなし対策・痛みやむくみの注意点

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ふくらはぎ 50代からの便利な暮らし
ふくらはぎ

デスクワークが続いた日や、長時間座って移動したあとに、

「ふくらはぎが重い」
「足がパンパンに感じる」

ということはありませんか。

ふくらはぎは、ただ脚を動かすための筋肉ではありません。歩いたり、かかとを上げたりすると筋肉が収縮し、脚の静脈を圧迫して血液を心臓の方向へ送り返す「下腿筋ポンプ」として働きます。日本静脈学会の2025年ガイドラインでも、歩行や運動による下腿筋の収縮・弛緩が静脈を圧迫し、血液を頭側へ送り出す仕組みが説明されています。

よく「ふくらはぎは第二の心臓」と表現されるのは、この働きを分かりやすく例えたものです。ただし、本当に心臓と同じ働きをしているわけではありません。

この記事では、ふくらはぎの役割、座りっぱなしを避けるコツ、自宅や職場でできる簡単な運動、そして「ただの疲れ」と考えず受診したほうがよい症状までまとめます。

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ふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれる理由

ふくらはぎには、腓腹筋やヒラメ筋などの筋肉があります。

歩いたり足首を動かしたりすると、これらの筋肉が収縮し、近くを走る静脈を圧迫します。その結果、静脈内の血液が上方向へ押し出されます。

静脈には逆流を防ぐ弁があるため、筋肉の収縮と静脈弁が組み合わさって脚から心臓への静脈還流を助ける仕組みです。日本静脈学会は、下肢の静脈還流には下腿筋ポンプ、静脈弁、呼吸、重力など複数の要素が関わるとしています。

つまり、ふくらはぎだけですべての血流が決まるわけではありませんが、脚の静脈循環では重要な役割を担っています。


ふくらはぎの筋ポンプ作用で静脈血が心臓方向へ戻る仕組み
「ふくらはぎの筋肉が収縮 → 静脈を圧迫 → 血液が上へ流れる」という筋ポンプ作用の図解。

座りっぱなしが続く日は、こまめに脚を動かす

デスクワークや長時間の移動では、脚を動かす回数が減ります。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、成人は座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意し、今より少しでも身体を動かすことが推奨されています。

大切なのは、

「仕事のあとにまとめて運動すればいい」

と考えるだけではなく、座っている途中にも足首やふくらはぎを動かすことです。

例えば、

  • コピー機まで歩く
  • トイレへ行ったついでに少し歩く
  • 座ったまま足首を上下させる
  • 立てる環境なら一度立って伸びをする

といった小さな動きでも、座りっぱなしを中断できます。

デスクワーク中にできる「かかとの上げ下げ」

特別な器具がなくても、ふくらはぎは動かせます。

座った状態なら、両足を床につけたまま、

かかとを上げる
↓
ゆっくり下ろす

を繰り返します。

長時間動けない状況での深部静脈血栓症対策として、厚生労働省は1時間に1回程度、かかとの上下運動を20〜30回ほど行うことや、数分歩くことを例として挙げています。

一般的なデスクワークでも、「気づいたら何時間も同じ姿勢だった」という状態を避ける目安になります。


デスクワーク中にできるふくらはぎのかかと上げ運動
椅子に座った状態で、かかとを上げ下げする


立って行うカーフレイズも簡単

自宅でふくらはぎを鍛えるなら、カーフレイズ(かかと上げ)も取り入れやすい運動です。

壁や椅子につかまり、

  1. 足を肩幅程度に開く
  2. ゆっくりかかとを持ち上げる
  3. つま先立ちになったら少し止める
  4. ゆっくり戻す

という流れです。

最初から回数を増やしすぎる必要はありません。

10回程度から始めて、余裕があれば少しずつ増やします。ふらつく場合は必ず壁や椅子など安定したものにつかまりましょう。

厚生労働省では、成人の筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。ただし、運動習慣や体力、持病などには個人差があるため、無理のない量から始めることが重要です。


壁や椅子などに軽く手を添えて行う、安全なカーフレイズ

ウォーキングもふくらはぎを自然に使える

「筋トレはどうしても続かない」

という人なら、まず歩く時間を増やす方法でも構いません。

歩行では、足首を動かして地面を蹴るたびにふくらはぎの筋肉が使われます。

厚生労働省の成人向けガイドでは、個人差を考慮しつつ、歩行または同等以上の身体活動を1日60分以上、約8,000歩以上に相当する量が一つの目安として示されています。

ただし、普段ほとんど歩いていない人が、いきなり8,000歩を目指す必要はありません。

「今より10分多く歩く」
「近距離なら歩く」
「エレベーターではなく階段を使える日は使う」

くらいから始めたほうが続きやすいです。

ふくらはぎのストレッチも取り入れやすい

運動後や長時間座ったあとには、ふくらはぎをゆっくり伸ばすのも気持ちがいいものです。

壁に両手をつき、片脚を後ろへ引きます。

後ろ脚のかかとを床につけたまま、前脚の膝をゆっくり曲げます。

ふくらはぎが無理なく伸びるところで止め、反動をつけずに行います。

痛いほど伸ばす必要はありません。

ストレッチは、

「強く伸ばしたほうが効く」

と考えず、気持ちよく伸びる範囲にしておくのが無難です。

むくみ=ふくらはぎの筋力不足とは限らない

夕方に靴下の跡が残ったり、足が重く感じたりすると、

「ふくらはぎが弱いからかな?」

と思うことがあります。

筋ポンプ作用は脚の静脈還流に関係していますが、むくみの原因はそれだけではありません。

長時間立っていたり座っていたりすることのほか、静脈の病気、薬、心臓・腎臓などの病気が関係することもあります。

そのため、

「ふくらはぎを揉めば全部解決」

とは考えないほうがいいでしょう。

特に、急に症状が出た場合には注意が必要です。

片脚だけ急に腫れた・痛いときは自己流で揉まない

厚生労働省は、深部静脈血栓症でみられる症状として、主に片方の脚の赤み、腫れ、痛みを挙げています。血栓が肺へ移動すると、胸痛、呼吸困難、失神などが起こることもあります。

次のような症状がある場合は、

  • 片脚だけ急に腫れた
  • ふくらはぎが急に痛くなった
  • 赤みや熱感がある
  • 息苦しさがある
  • 胸が痛い
  • 意識が遠のく感じがある

「疲れただけ」と自己判断せず、医療機関へ相談してください。

胸痛や強い呼吸困難、失神などがある場合は緊急性があります。


ふくらはぎの腫れや痛みで医療機関への相談が必要な症状


マッサージだけに頼らず「動かす習慣」を作る

入浴後にふくらはぎを軽く触ったり、ストレッチしたりすると気持ちよく感じることがあります。

ただ、健康維持のために重視したいのは、

日常的に脚を動かすこと

です。

日本整形外科学会も、深部静脈血栓症の予防では早期歩行や、安静時にも足首を動かすことが重要と説明しています。

デスクワーク中心なら、

朝:通勤や買い物で少し歩く
昼:座ったまま足首を動かす
夕方:数分歩く
自宅:カーフレイズを数回

と分散させるほうが、特別な運動時間を作れない日にも続けやすいです。

ふくらはぎだけを鍛えれば健康になるわけではない

健康のためにふくらはぎを鍛えることは、運動習慣を作る一つのきっかけになります。

ただし、

「ふくらはぎさえ鍛えれば血流が良くなる」
「ふくらはぎを鍛えれば病気を防げる」

と考えるのは適切ではありません。

厚生労働省の身体活動ガイドでも、歩行などの日常活動に加え、筋力トレーニングなどを組み合わせることが勧められています。

下半身だけでなく、

歩く。
階段を使う。
スクワットをする。
上半身も動かす。

といった全身の活動を増やす中で、ふくらはぎも自然に使う考え方が続けやすいでしょう。

ふくらはぎケアはこんな人から始めやすい

特に意識したいのは、

  • デスクワークが多い
  • 車の運転時間が長い
  • 休日も座っている時間が長い
  • 最近歩く量が減った
  • 運動不足を感じている

といった人です。

いきなりハードな運動を始める必要はありません。

「座っていたら足首を動かす」

これだけでも、運動習慣を作る第一歩になります。

まとめ|ふくらはぎは「揉む」より日常的に動かすことを意識する

ふくらはぎは、歩行や足首運動によって筋肉が収縮し、下肢静脈の血液を心臓方向へ送り返す筋ポンプ作用に関わっています。

そのため、「第二の心臓」と呼ばれることがありますが、健康管理はふくらはぎだけで決まるわけではありません。

私なら日常生活では、

長時間座りっぱなしにしない
→ ときどき足首を動かす
→ 歩く時間を少し増やす
→ 週に数日は軽い筋トレ
→ 無理のないストレッチ

という流れを意識します。

大がかりな器具は必要ありません。

一方で、片脚だけの急な腫れ・赤み・痛み、息苦しさや胸痛などがある場合は、単なるふくらはぎの疲れと決めつけず医療機関へ相談してください。

デスクワーク中心の生活なら、まず今日から「1時間座ったら一度脚を動かす」ことから始めてみるのが現実的です。

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